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ヘイコ・アビエーション、これもバークシャーの会社です。
バフェット名義では、$Berkshire Hathaway-A (BRK.A.US)$ / $Berkshire Hathaway-B (BRK.B.US)$最新の四半期保有レポートでは、 $Heico (HEI.US)$のポジションを確立しています。
2024年第2四半期に、バークシャー・ハサウェイはヘイコ株104万株を購入しました。これは時価総額で約2億5,000万米ドルに相当します。
この動きは市場で広く注目を集めているが、同社の評価額はPER70倍以上、PBRも10倍程度と驚くほど高いため、不可解だ。
幸い、買いの規模は大きくなく、ほぼ観測ポジションに相当するため、市場の関心はそれほど強くない。
これは決してバフェット氏自身の行為ではないというのが大方の意見であり、中にはバフェット氏がバリュー投資を裏切ったと叫ぶ者さえいる。
この投資は確かに少し変わっているし、バフェット自身がそれを運営しているかどうかは私たちにはまったくわからない。しかし、この会社は実際には多くのバリュー投資家にとって長期保有の対象であり、株主リストには政府年金基金、寄付基金、保険会社、政府系ファンドなどが含まれている。
ただ、同社の評価額が決して安くなかったというだけである。
この会社のユニークな点は何ですか?
1. バリュー投資家による素晴らしい買収。
HEICO は 1957 年に設立された航空宇宙および防衛のサプライヤーであり、民間航空機および防衛製品のニッチな代替部品の製造を専門としています。
現在、HEICOの事業は主にフライトサポートグループ（FSG）と電子技術グループ（ETG）の2つの部門に分かれており、FSGが事業の60％～70％を占め、ETGが30％～40％を占めています。FSGは世界最大のFAA認定の航空機交換部品の独立サプライヤーであり、ETGは航空、放送、防衛、その他の関連産業向けの電子製品の設計と製造を行っています。
同社は1957年に設立されたが、約30年間は比較的静かに運営されていた。転機となったのは、現在の大株主であり経営陣であるメンデルソン家（父と息子2人）が経営を引き継ぎ、質的な変化をもたらした1990年だった。
メンデルソン家のこの3人は、社内で出世したわけでも、大企業との合併で来たわけでもなく、投資をしているときにこの会社を発見し、買収を決意したのです。
ラリー・メンデルソンもバリュー投資家であり、興味深いことにウォーレン・バフェットの同窓生です。1960年、バフェットより10年後に、彼はコロンビアビジネススクールに入学し、証券分析を学びました。80年代には、彼の2人の息子をコロンビア大学に入学させ、投資を学ばせました。
メンデルソンは卒業後、フロリダに移り、不動産業に参入して大金を稼いだ。また、バリュー投資の知識を生かして株式投資を行い、大きな利益を得た。
同時に、彼は大学生の息子二人に株式の勉強を奨励し、コロンビア大学ロースクールの図書館でHEICOを発見したのは下の息子のビクターだった。
彼らは、当時フロリダで、株価が非常に安く、事業に投資する価値のある会社を見つけたいと考えていましたが、その会社の経営は不十分でした。彼らは、そのような会社を買収し、経営陣を入れ替えて、家族で経営したいと考えていました。
HEICO はこの基準を完全に満たしていました。当時、HEICO の主な事業は医療実験装置の製造であり、この事業には興味がなかったのですが、HEICO は一連の買収を行っていました。1974 年に Jet Avion という会社を買収しました。この会社は、1980 年代半ばの航空業界の事故により、連邦航空局から航空機エンジンの一般モデル用のバーナーの製造を許可されました。これにより、同社は航空業界に参入し、ジェットエンジン部品の製造を専門としました。彼らはこの事業に興味を持っていました。
米国の航空業界では、航空機部品の製造には連邦航空局および関連する国際機関の承認が必要であり、参入障壁が非常に高く、業界内の競争がほとんどないビジネスです。
その結果、同社の業績はすぐに好転し、1986年には売上高4,600万ドル、利益760万ドルを記録しました。Jet Avionは売上高の3分の2を占めました。
当時、経営陣はそれを単なる追加事業収入としか考えておらず、事業は勢いづいていた。しかし、メンデルソン父子は、この壁を乗り越えることができれば、航空機部品の製造はそれほど簡単ではないと考えていた。さらに、バーナーは航空機エンジンの主要かつ一般的な部品である。これが承認されれば、他の一般的な部品の承認もかなり高くなるはずだ。
また、航空業界は参入障壁が高く、ゼネラル・エレクトリックなど数社の大手企業が関連市場でほぼ独占的地位を占めているため、競争はほとんどなく、製品も革新性に乏しい。しかし、収益性を高めるために価格を大幅に引き上げ続けている。下流の航空会社は高値で仕入れ続けるしか選択肢がない。メンデルソン父子は、HEICOが一連の航空機汎用部品を生産し、それをプラットフォームとして航空会社に新たな選択肢を与え、市場価格より30～40％安く販売しても、十分な利益と資本収益を得ることができると信じていた。さらに、航空機部品の交換には、特許や知的財産の制約がほとんどない。
また、交換可能な航空機部品の市場規模は当時年間約500億ドルと非常に大きく、世界経済の発展により航空宇宙産業は長期にわたり持続的に成長しており、問題は多くありません。
父と息子は、これは実現可能だと感じました。
当時、同社の業績は改善していたものの、航空業界の短期的な見通しは下向きで、同社は翌年の収益の減少を予想していた。期待が低かったため、メンデルスゾーンは安く購入する機会を得た。1988年、メンデルスゾーンは公開市場で同社の株式を買い始めた。しかし、HEICOに目をつけた人物が他にもいたことが判明した。
シカゴの投資家ジョージ・フォックス率いるH Acquisition Corp.は、HEICOの買収に7,500万ドル、つまり1株あたり30ドルを提示した。そこでメンデルスゾーンは他の投資家とともに持ち株を増やした。1989年末までに、彼らはHEICOの株式の13.6%、合計15%を購入した。
そして議決権をめぐる争いが始まった。この争いは12月まで続き、最終的に取締役会の4議席を獲得し、メンデルスゾーン氏が新CEOに就任した。
彼は就任後すぐに、元々の主力医療研究所事業を1,700万ドルで売却し、交換可能な航空機部品の中核事業のみに注力しました。
1990 年代初頭、世界の航空業界は停滞し、その部品は期待どおりに承認されませんでした。ほぼ 10 年間、毎年、非クリティカルな航空機部品の公式生産ライセンスを取得したのもわずかでした。航空業界の審査は厳しく、安全が第一です。問題が発生した場合、それは小さな問題ではありません。同時に、連邦航空局の職員にとっては、承認した会社の部品に問題が発生することを望んでおらず、航空会社の調達管理者は、購入する部品に問題が発生することを望んでいません。
だからトラブルを避けて、従来通り大手企業との協力関係を維持するのがベストです。HEICOの製品は安いですが、FAAと航空会社、そしてお互いの間に信頼関係がないので、全体的に進歩が遅いです。
HEICOが突破するために最も重要なことは、高品質の航空機部品を継続的に生産することで業界の信頼を獲得することです。1990年代半ば、航空業界の回復に伴い、HEICOもわずかに改善し、徐々に顧客の認知度を高めました。1997年までに、ドイツの大手航空会社であるルフトハンザはHEICO製品の品質を認め、HEICOの子会社の20％の株式を取得しました。買収契約の一環として、ルフトハンザはHEICOが製造する航空機一般部品の大量注文を開始しました。
厳格なドイツの航空会社の支援により、HEICOの航空機部品ビジネスは大幅に容易になりました。現在、ほぼすべての海外航空会社がHEICOと協力関係を結んでいます。
同時に、HEICOは航空機部品製品ラインを持つ企業を継続的に買収し、内部および外部の拡大を実現しています。
メンデルソン家がHEICOの経営権を握ってから、同社の収益は1990年のわずか2,600万ドルから2023年には29億7,000万ドルに増加し、純利益は4億ドルとなり、年平均15%という高い複利成長率を示しています。株価の年率リターンは20%を超え、S&P 500指数をはるかに上回っています。
第二に、HEICO を装ったバークシャー。
1990年、HEICOは航空機部品製品を1つしか持っていませんでしたが、現在では14,000以上の部品カテゴリーを保有し、毎年約500の新しいカテゴリーを開発するという内部成長率を維持しています。同時に、同社は100件近くの買収を完了し、製品ラインを継続的に拡大しています。
HEICO は航空業界の企業のようですが、ラリー・メンデルソンは同社の株主に対して、「HEICO の事業は航空宇宙ではなく、キャッシュフローを生み出すことであり、このキャッシュフローはたまたま航空宇宙業界から来ているのです」とよく言っています。
彼がこう言うと、彼が優秀な投資家であることを思い出すでしょう。
彼の投資に対する理解はバフェットと同じであり、実際に似たようなことをしていることがわかります。両者ともキャッシュフロー企業を多数買収しています。バフェットはバークシャーを利用し、彼はHEICOを利用しています。しかし、彼の買収分野はより集中しています。
HEICOが参入している分野は大きな市場であり、HEICOは絶えず発展しているものの、占める市場シェアは小さいからです。
世界の民間航空機の保有数は、1990年代の10万機未満から2023年には2万8,400機に増加しました。今後、世界の航空機保有数は2034年までに3万6,000機以上に達すると予測されています。また、航空機には約数百万個の部品があり、多数の部品メーカーがそれぞれの分野で活動しています。過去30年間の売上高の驚異的な成長にもかかわらず、2020年の航空機部品市場におけるHEICOの市場シェアは5％未満でした。
HEICO の現在の成長率を考えると、このコースはまさに厚い雪に覆われた長い坂道です。
この道を辿ると、同社の買収と成長のロジックは比較的明確で目に見えるものとなり、業界外の買収を必要とせず、航空事業に注力する企業であるように思われます。
HEICOの部品は事故を起こしたことがなく、価格も市場価格よりかなり安くなっています。低コストと高品質、そして長年にわたる顧客の信頼により、HEICOの事業は繁栄し、それぞれがドル箱に相当する部品カテゴリーの各セグメントで大きなシェアを占めています。
新規参入者がこの業界に参入したい場合、航空業界の厳しい要件を満たし、業界からの信頼を獲得する必要があり、それには少なくとも10年以上かかる可能性があります。また、HEICOと競争する必要があります。つまり、高い参入障壁と競争力の組み合わせにより、HEICOは独占利益を維持し、長期的な優位性を維持できるのです。
同社は、創出したキャッシュフローを業界内の他のキャッシュフロー企業を買収するために使用し、買収した優秀な企業の元の経営陣を保持して全権を付与します。支配株を保有しながらも、インセンティブのために少数株主の株式も保持しており、バークシャー・ハサウェイの模倣に似ています。
バフェット氏は「私は起業家であるからこそ、優れた投資家である。投資家であるからこそ、優れた起業家である」と語った。メンデルソン氏自身も優れた投資家であり、HEICOはメンデルソン氏にとって価値を生み出すツールであり、コストを削減することで顧客に価値を生み出し、株主に富をもたらすのだ。
メンデルソン家は今でも同社の主要株主であり、利害が一致し、優れた経営スキルと投資知識を持っています。また、資本市場を明確に理解しており、資本収益を生み出す方法も知っています。市場では、経営者のように考え、行動する経営陣を見つけることはまれです。通常の経営陣は、株主に利益をもたらす方法よりも、会社から利益を得る方法を考えることが多いです。
また、メンデルソン氏は30年以上にわたりHEICO社のCEOを務め、目覚ましい成果を上げており、引退するつもりはないことも特筆すべき点です。たとえ引退したとしても、彼の2人の息子が後を継ぐ可能性が高く、同社の経営の長期的な質が確保されるでしょう。
結論
HEICOの本来の複利成長と経営哲学は、現代のバリュー投資と一致しており、市場はこれを優良企業として認識していますが、支払うべき価格について合意に達することは困難です。過去には、世界的なパンデミックや飛行機の着陸停止などの極端な状況で、比較的大きな購入機会が1つしかありませんでした。
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