三宅 芳夫 on Nostr: ...
カント、フィヒテ、シェリング、ヘーゲルと連なる所謂ドイツ観念論、哲学史的には「自由の哲学」とされますが、全員ルソー及びフランス革命に熱狂し、「自由とともに平等」を、掲げることになります。
一つの背景は、これらの哲学者がみな貧困層ではないにしても、下層(平民)階級出身であり、ドイツに強く残る身分制に強い反発を抱いていたこと。特にフィヒテはある時期まで、かなり貧困に苦しめられます。
カントは、ある時期まで、自分の知性と努力で大学教授の位置まで這い上がったこともあり、若い時はある種の「自己責任論」・「能力主義に近い立場をとっていたこともありますが、ルソーを読み「ヒトは皆平等」という衝撃を受ける。
ここも哲学史的にはヒュームの懐疑論によって「独断論のまどろみ」から醒めた、という点だけ強調されるますが、重要な点。
実際、カントの自己立法、良心を中心とした倫理学はルソーの圧倒的な影響下にある。
しかし、カントはまだ「奴隷 Knecht」を「主体」とは見做していない。
フランス革命の衝撃によって、「主人は奴隷の奴隷である」として身分制を完全に一度葬り去ったのは『精神現象学』のヘーゲル。
また社会秩序を「自己意識の闘争」の次元まで一度解体したのもドイツ観念論の内、ヘーゲルのみです。
[参照]
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