SALA on Nostr: ...

知人のライブを見に行った。終演となり立ち上がったが、前の初老の紳士がうなだれたまま座っている。爆音のライブの中寝ていたわけでもなかろうに、と見ると隣のお連れさんが何か話しかけている。が、弱々しく頷くだけの紳士。
こりゃマズイと「どうしました？」と声をかけてみると、驚くほどの汗をかいている。ただ、意識はあって「大丈夫」とだけ仰る。
「大丈夫なんですね、どこかつらい所はありますか？」と聞いても「大丈夫」と「眠い」を交互に繰り返すだけ。見ると手の甲にもびっしょり汗をかいていて、恐らく立ち上がれない。「すみません、触りますね」と触ってみると驚くほど冷たい。体温をほとんど感じられない。
「救急車を呼びましょう」そう言ったが紳士は首を振る。「いや、大丈夫」
周りには紳士の知り合い&知人のバンドマンたちが集まってくる。「大丈夫と言ってるし…」何となく煮え切らない空気。そして究極の一言が飛んだ。
「あなた決めて。女が決めないと決まらない」
ソッコーで救急車を呼び、紳士は搬送されて行った。
男性陣、できれば普段からもしもの時は救急車、と唱えておくといいよ。たとえ本人が要らないと言っても。